2018年6月8日金曜日

Vin délicieux se connecte avec les gens

もうかれこれ10年以上の付き合いになります。昔からのお客様が来店下さいました。以前は関東にお住まいだったのですが現在は大阪在住のTさん。

出張のついでに顔を出してくれました。Tさんは大のワイン好き、というかワインを愛してます。私の事を南仏ワインの伝道師と呼び、とても贔屓にしてくださってます。

以前よく店に来ていた頃はTさんも交え店でよく一緒にラングドックワインをしこたま飲んでました。当時の私のラインナップはほとんどと言っていいほど本当によく飲みました。

ワインに深い愛情を持ち、飲酒経験も豊富な方でヨーロッパのワイン文化も心得ているTさん。ワインだけではない作り手や産地、歴史などのバックグランドが大切であるとの私の意見をいつも興味深く聞いてくださり解釈してもらってます。

昨日、そのんなTさんの「今日は東京に泊まるので」の一言で飲み会開始!どうせ飲むなら普段飲めないものをということでTさんもよく知るランシール(Ch-Lancyre)を、それもランシールの新たな一面を感じさせるルベルテ(Leberté)を開けました。


私もそうですが香りを嗅ぐと一気に10年前の場面が頭に浮かびます。「この香りは思い出しますね」とTさん。「ですね」

お互い楽しく飲んでた場面を香りと共に記憶しているのですね。美味しいワインがそこにあることで思い出も味わい深いものになるのですね。ワインは凄い!

今やラングドックを代表する偉大なワインとなったランシール。私は1998年に初めて蔵元を訪れました。その当時、当主はまだベルナール・デュランが努めていましたが現在はレジス・ヴァレンティンが中心となり優良なワインを作り出しています。

昔ながらのクラシックな製法やスタイルを大事にしながらも現代風で新たな試みにも意欲的なレジス・ヴァレティン。彼が手がける将来を見据えるような一本がこのリベルテなのです。ラングドックワインの魅力は気軽に楽しめること。レストランで作法に則って薀蓄と共にかしこまってお飲みになるワインではなく、仲間と楽しく陽気に気軽に飲めることにあります。

このリベルテについてレジスは語ってました。手をかけ時間をかてつくる上級のキュヴェではなく気軽に飲めて手が出しやすい高品質なワインをリリースしたかったそうです。使用する葡萄品種、アッサンブラージュの割合、醸しの時間など「飲みやすく」「香りがよく」「らしさがあり」「リーズナブル」な理想を目指し2016年よりリリースしました。

それにしても見事に理想を体言した出来です。決して軽すぎず、重すぎず、香りが豊かで深みもある。なんと言ってもバランスが素晴らしい!聞いたところ一部の原料に高樹齢の葡萄を使用しているのだとか!それ故の深みか!

Tさんとそんな話をしながら30分もしないうちに開けてしまいました。「以前、村上さんがワインの旨さは飲んでるときの残量に比例するって言ってましたね」とTさん。まさにその通りの結果になりました。

Tさんの顔を見るとまだ飲みたい感が存分に出てたのでもう一本いくことにしました。こちらもTさんがご存知のコージョル・ガゼです。しかし10年前に飲んでいたのはグレコーという名前でした。当主のアラン・コージョル・ガゼはモンペイルーにあったドメーヌ・グレコーで名声を確立したにもかかわらず2001年にグレコーを商標ごと売り払い現在の場所(ラルザック山脈の山の上)に新たにドメーヌ・コージョル・ガゼを作りました。

何でもこの気候環境じゃないと理想のワインが作れないからだそうで標高は有に800mを超えています。コージョル・ガゼとなってから初めて味わったときの事は鮮明に覚えています。グレコー譲りの圧倒的な香りは健在です。しかし味わいが全く違う。瑞々しく涼やかで透明感のある味わい。磨かれたミネラルのような一切の雑味がない味わい。


こっちの方向に行ったわけか。それを実現するにはこの気候は不可欠だな、と訪問した際深く納得した覚えがあります。

飲み進めるごとに瑞々しさが膨らんできます。抵抗なくスイスイ飲んでる様は身体が求めているようでもありこれもあっとゆう間に空に!

美味しいワインは楽しく皆で飲むのが一番ですね。これでTさんとの思い出も一つ増えてそれを肴にまた飲める。永遠と続く負(?)のループです。

皆様も飲み過ぎにはお気を付け下さい。私には言われたくないと思いますが。

Vide!

ガラパゴス

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