2018年2月23日金曜日

Une place spéciale dans la montagne

テラス・デュ・ラルザックの蔵元です。アラン・コージョルのところから下山しながら向かった先の蔵元はAnian村とPuéchabon村にまたがり両方の村のニュアンスのワインを作り出しています。

写真のように山の中に畑を切り開いています。現在も山を切り開き畑を拡大中です。畑を訪れた時もブルドーザーで作業をしていました。

実はこの畑、2004年に公開されカンヌ映画祭でパルムドールにもノミネートされたドキュメント映画モンドヴィーノ(Mondvino)でアメリカのワイングローバル企業であるロバート・モンダヴィ社が買収しようとした場所です。

結局反対派の急先鋒であるエメ・ギベール(マ・ド・ドマ・ガサック)や反対派の市長などの働きで買収計画は破綻に追い込まれました。この蔵の当主であるJean-Marcにモンダヴィが当時の買収計画予定だった地図を見せてもらいました。結構な大きさの土地買収を計画していたようで、当時村の皆で集まっては対策を練っていたそうです。地図と共に村の人達の意見が書き込まれた紙をみせてもらいましが何か生々しい感じでした。

しかしこんな素晴らしい土地が業突でセンスのかけらもない馬鹿な奴らに奪われなくてホントに良かった。もし買収が成功していたらこの土地の名を語り金にものを言わせ大規模なパブリッシングで大量に売りまくっていたでしょうね。テロワールの欠片も無い味わいのワインを...

先の写真で見た畑です。スケール感が伝わりますかね?小高い山の中にすり鉢状にぐるりと畑が広がっています。土壌はこの地の特徴である粘土の上にカリケールと呼ばれる石灰で畑の表面には石灰岩が転がってます。ここは特に多くの石灰岩があります。遠目で見ると畑が白く見えるのはそのためです。

この畑も元は周りと同じ森のように木々が茂っていたわけですが時間をかけて畑にしてきました。実際拡大作業中の様子も見ましたがかなりの勾配の中をブルドーザーが何度も何度も木を倒し土地を均していました。一日かけても0.1アール程だそうでこの作業はまだまだこの先も続くそうです。作業をするかたのための小屋も作ってあって食事や休憩を取るのだそうです。

山に入るには四駆が欠かせません。Jean-Marcは三菱の四駆を使ってました。一般道からいきなり山に入って行くのですが狂ったように飛ばす!慣れているのでしょうが飛ばしすぎだろ。猪はもちろん狼もいるそうで畑の周りには猪避けの網が張られていましたが網の下の土をほじくり返し結局畑に入ってくるそうです。

畑は風も強く低地よりも温度は低くなり理想的な寒暖差が生まれます。日中の太陽は燦々と降り注ぎ葡萄の熟成を助けます。

日が落ちた夜は風と寒さのおかげで締まりのある酸味がしっかりと備わります。夏の暑さの中でもこの強い風の影響で畑に熱気が滞留しません。

自然環境を上手に取り込んで土地の特徴を引き出していくわけですね。この自然環境だけはスイッチ一つでどうこうできる問題ではないので年間を通じ、また何年もかけて環境と特徴を理解して土地を選び葡萄を植えていきワイン作りを行う。これが理に適う方法なのです。

蔵に戻り全てのワインを試飲しました。白2種、赤4種です。ロゼは?との質問に「個人的には好きなのだけれど」と言いながらどうしても葡萄を赤に回してしまうとの事。自分用には少し持っていると言ってました。(おいらみたいだ)

白は2017年ということでタンクから直接試飲。スタンダードのものグルナッシュ・ブランとルーサンヌのアッサンブラージュ。柑橘の爽やかな香り、出過ぎず上品な口当たりで爽やかな印象さえあります。このセパージュでは香りが出過ぎたり味わいも濃厚になり過ぎるのですがキレイなバランスでフィネスがあります。流石!

上級のキュヴェはさすがリッチな仕上がりでヴェルメンティーノの華やかでフローラルな香りが広がります。上質です。

赤ワインはどれも柔らかなタンニンで口当たりが柔らかく清涼感もあります。気付いたら一本飲んでしまいそうな均等のとれた構造でストレスなく自然と体に染み込んで行くようです。

スペシャルな遅摘みのシラーを使った半甘口のグルマンディーズ。決して甘すぎず、カカオの含有量の高いチョコレートのような味わい。シルキーな口当たりスムーズな飲み口で甘いワインですが何杯でもいける味わいです。ピュアなチョコレート、ドライフルーツなどと食事の締めに最高じゃないでしょうか。このスペシャルなワインは一本持ち帰りますので3日に味わっていただけると思います。

日も暮れてホテルに向かいましたがラングドックの南北をつなぐ高速(A75)があるので楽ですね。モンペリエまで30〜40分で着きます。しかもタダ!さすがフランスです。交通事情は抜群です。明日から西に向かいます!










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